「街で見たことがない広告は、決裁者に価値が伝わらない」——受付で止まり続けた大手開拓を、決裁者ダイレクトで突破した5年目の転機についてお聞きしました。
成果ハイライト
| 企業名 | 株式会社チアドライブ |
|---|---|
| 会社概要 | 街を走る一般ドライバーの車のリアウィンドウを広告媒体として活用できるマイカー広告プラットフォーム『CheerDrive』を運営。ドライバーは好きな企業・商品のステッカーを貼って走ることで報酬や特典を得られ、企業は一般消費者を巻き込んだ話題性のあるプロモーションを実現できます。2020年設立。 |
| 業種 | マーケティング支援 |
| ターゲット | ナショナルクライアント(大手企業)のマーケティング決裁者 |
| 活用チャネル | |
| 対象エリア | 国内開拓 |
| 支援前の課題 |
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| プロジェクトサマリ |
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本日はよろしくお願いいたします。まず、CheerDriveがどんなサービスなのかを教えていただけますか。
シンプルに言うと、一般の方の車のリアウィンドウを広告媒体として活用できるサービスです。ドライバーは自分の車に好きな企業・好きな商品のステッカーを貼って走ることで、お金を稼げたり特典がもらえたりする。企業側は、一般消費者を巻き込んだプロモーションができて、話題性も提供できる。そういうサービスです。
着想はどこから得たのでしょうか。
「水曜どうでしょう」です(笑)。あの番組のファンが、ロゴのステッカーを自分の車に貼って走るという文化があるんですよ。私は群馬出身で上京してきたのですが、街でそのステッカーを貼った車をよく見かけて、それで番組を知ったんです。つまり、一般の人の車のリアウィンドウには、普通の看板とは異質な訴求力があるということですよね。
たしかに、広告の見え方が変わりますね。
企業が「うちの商品は素晴らしいです」と言っても、広告だからそう言うよね、で終わってしまう。でも一般のドライバーが貼っているということは、その人がその企業やサービスを応援している前提がある。お金を出せば露出が約束される看板広告とは、説得力が全然違います。
海外にも似た広告はありますよね。
フルラッピングの広告は2012年頃から海外で盛んでした。ただ、1台あたりのラッピング費用が高いうえに、1日50km以上走ることを義務づけているようなケースもある。日本は平均走行距離が海外よりずっと短いので、そのまま持ってきても絶対に成立しません。だったらステッカーをご自身で貼っていただく形にして、広告車両の製作コストを限界まで下げよう、と。そうすれば普段の通勤で使っている方にも参加いただけますし、広告料金も下げられて、費用対効果で語れるサービスになります。
設立は2020年ですが、当初から法人の開拓が課題だったのでしょうか。
そうですね。コロナが想定よりずっと長引いて、屋外広告市場が完全にシュリンクしていた時期でした。ドライバーはどんどん集まるんです。自分の車のリアウィンドウを資産化できるサービスは他にありませんから。でも企業側からすると、テレビもWebもあるなかの選択肢のひとつでしかない。だからクライアント獲得のほうがずっと難しかった。
一時期はスポーツチームに特化されていましたね。
はい。Jリーグやプロ野球チームのステッカーを貼るとグッズがもらえる、という形で数十チームに広がりました。チーム側は持ち出しゼロで認知を獲得できるので、やらない理由がない。名だたるプロ野球チームがやってくださっているのは、大きな安心材料にもなりました。
それでも課題が残った、と。
人気チームは数えるほどしかないので、そこだけではスケールしないんです。それに、あくまで「推し活」的なサービスで終わってしまう。本当にマイカー広告として、広告宣伝の予算で選んでもらえる状態を作らないといけない。そこから、誰もが知っているようなナショナルクライアントを積極的に開拓する方向に舵を切りました。
ナショナルクライアントの開拓では、何が一番の壁でしたか。
2つあります。1つは、決裁者が街中でCheerDriveを見たことがないと、効果が想像できないこと。屋外広告は、意思決定する人がその媒体を見たことがあるかどうかが本当に大きいんです。山手線の中吊りや渋谷の大型ビジョンなら、誰でも感覚が分かりますよね。うちはまだそこまで至っていない。
もう1つは。
そもそも担当者につながらないことです。テレアポをずっとやっていましたが、うまくいきませんでした。大手企業は「営業電話は断ってください」というオペレーションが組まれていることが多い。受付の方にとっては、断ることが大事な仕事なんです。それは責められないというか、全部つないでいたら仕事が終わりませんから。
期間としては、どのくらい続けられたのですか。
1年以上ですね。仮に話を聞いてもらえたとしても、マイカー広告というジャンルがあまりにも新しくて、電話ではよく分からないから、とりあえず断られる。担当者に届かないと始まらないし、届いても価値が伝わらない。ずっともどかしさがありました。
受付の方にとっては、断ることが大事な仕事なんです。
そのなかで、Emooove(イムーヴ)のLinkedIn支援を選んでいただいた理由をお聞かせください。
私たちにとって一番大事なのは、決裁者に「面白い」と思ってもらえるかどうかなんです。だから、直接決裁者にサービスの魅力を、最初のアプローチの段階で伝えられる手段はないものかと、ずっと考えていました。その意味でLinkedInはすごく有効なんじゃないか、という前提があったんです。
受付を介さない、という点ですね。
はい。実際に始めてみると、普通に正面から連絡が通って、打ち合わせの機会をいただけて、そのまま決まったりもする。もくろみどおり、期待どおりの成果でした。
運用面で評価いただいた点はどこでしょうか。
会社ごとにちゃんとカスタマイズして書いてくださったことです。私自身もLinkedInをやっているので、いろんな方からメッセージが来るんですよ。でも、コピペのテンプレートで送られてきた文章は、正直あまり読まないですよね。そうではなく、相手の立場やビジネスを踏まえたメッセージを送っていただいていた。
狙う相手が限られる分、1社ごとの精度が結果を左右する領域だと考えています。
そうなんです。リストもすごく貴重なところなので、そこを丁寧に攻めていっていただいた。あれを自社でやるのは、正直もう絶対に無理です。ノウハウもないですし、手も足りない。
大手企業へのアプローチを続けたが、受付で止まり担当者と会話する機会がほとんど得られなかった。
狙うナショナルクライアントを定義し、テンプレートを使わず会社ごとに書き分ける文面を設計しました。
受付を介さず決裁者へ直接届く導線ができ、初月から複数の大手企業との打ち合わせが実現。
決裁者本人が判断できる状態で商談が始まるため、他施策と比べて高い受注率に。
「見たことがある」状態を作るため、ドライバー参加を後押しするキャンペーンを推進中。
あれを自社でやるのは、正直もう絶対に無理です。
成果としてはいかがでしたか。
支援開始の初月からアポイントをいただいて、すぐに多くの企業と打ち合わせができました。1年以上テレアポをやってもほとんど会えなかった相手です。しかも、誰もが知っているような大手企業の案件も受注できました。
初月に6件の商談を創出しています。受注率の面ではどうご覧になっていますか。
他の施策と比べても良かったです。決裁者ご本人にお会いできているので、その人が判断できる。そこが大きいと思います。もちろん、サービスの独自性があったからという前提はありますが、営業のやり方が良かったから早く結果が出た、という掛け算だと思っています。
| 支援前 | 支援後 | |
|---|---|---|
| 大手へのアプローチ | テレアポ・フォーム営業で受付止まり | LinkedInで決裁者本人に直接届く |
| 価値の伝わり方 | 電話では新しすぎて理解される前に断られる | 相手の事業を踏まえた文面で、興味を持った状態で商談へ |
| 商談の量 | 1年以上かけてもほとんど会えなかった | 支援開始の初月に6件の大手商談 |
| 受注 | ナショナルクライアントの実績がなかった | 誰もが知る大手企業からの受注を獲得 |
商談数以外で、気づきや変化はありましたか。
他の施策ではうまくいっていなかった現実があるなかで、LinkedInではうまくいった。これはうちに限らず、いろんなサービスで起こり得ることなんじゃないかと思っています。チャネルを変えるだけで結果が変わることがある、というのは学びでした。
チャネルごとに、届く相手も届き方も違いますからね。
あとは、大手企業に導入いただけたこと自体が、ドライバーさんの安心につながります。自分の車に企業名を貼って走るわけですから、「大丈夫なのかな」という不安は一定あるんです。誰もが知っている企業の実績は、その不安をなくしてくれる。
今後の展望を教えてください。
足元では、日本でCheerDriveのステッカーを貼っている車の台数を最大化することが最大の課題です。ドライバーの方に参加費をお支払いいただく代わりに、それを上回る特典や食事券が受け取れるキャンペーンを進めています。ユーザーは得をして、飲食店などの企業側は空いている時間や在庫を認知獲得に使える。バランスがいいんです。
台数が増えると、何が変わりますか。
ほとんどの人が「見たことがある」状態を作れたら、次のページに進めます。そこで初めて、他の広告媒体と正面から戦える商品力を持って営業できる。そのタイミングで一気にアクセルを踏む戦略です。もう一つは、ドライバーの資産を活かしたビジネスですね。車には生涯で相当なコストがかかりますから、車検や自動車保険といった領域でも、ドライバーに還元できる形を作れると考えています。
目指している世界観についてもお聞かせください。
「広告の民主化」と呼んでいます。広告費の多くは海外のプラットフォームに流れていて、一般の消費者が広告収入を得る手段はほとんどありませんでした。YouTuberやインフルエンサーになるには、才能も努力も必要です。でも、普段どおり車を運転するだけで広告収入が得られるなら、追加の労働なく参加できる。消費者に広告費を還元して、また消費してもらう。そのほうが日本経済にとってもいい循環が生まれると思っています。
最後に、当時のチアドライブ様と近い課題を持つ企業へメッセージをお願いできますでしょうか。
電話が通じない相手に電話をかけ続けても、状況は変わりません。特に、まだ世の中に知られていない商材は、担当者どまりだと価値が伝わらないまま終わってしまう。決裁者ご本人に、最初の接点で伝えきることが大事だと思います。そのうえで、テンプレートではなく相手ごとに書き分けられるかどうか。そこを自社だけでやり切るのは本当に大変なので、任せる判断は十分に価値があると思います。

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